Q&A
依頼をした場合、過払い金はいつもらえますか?
1 過払い金の請求を弁護士に依頼した場合の流れ
ご依頼いただいた後、まずはじめに「取引履歴」の開示を債権者に求めます。
取引履歴は、何月何日にいくら借りたのか、いくら返したのかという過去の経過に関する資料で、過払い金がいくらあるかの計算の基礎資料になります。
取引履歴の開示を求めてから実際に開示される期間の目安は、2週間から2か月程度です。
同姓同名の方がいたり、引越ししたりなどしていると開示を求める個人の情報の特定に時間を要すること等があります。
場合によっては、相手方債権者の合併などによって、開示に時間がかかることもあります。
2 情報開示から請求まで
取引履歴の開示を受けた後は、利息制限法の利率に基づいて引き直し計算します。
このタイミングで、そもそも過払い金があるのか、あるとしていくらぐらいか等がある程度わかります。
取引履歴だけではすべてを把握することができるわけではありませんが、取引経過から、想定される争点等もある程度は見えてきます。
引き直し計算は数日から1、2週間程度で終えられることが多いです。
3 交渉
引き直し計算により過払い金の額が確認できたら、まずは相手方に請求します。
債権者側が請求に応じて即時に全額を支払う、ということはまずありませんし、事案によっては評価の仕方で金額が大きく変わる争点があることもあります。
そのため、支払時期や額等の交渉が持たれます。
期間として1~2か月である程度の交渉上限となることが多いかと思います。
話し合いで解決する場合、「合意後○か月後に支払う」という内容になりますので、実際に受け取ることができるのは合意からもう少し後になります。
事件内容や債権者によっては、10か月後、ということもあり得ます。
合意が難しい場合には、以下のとおり、裁判に進みますが、ここまで、おおむね1年前後くらいでの入金になるかと見込まれます。
4 裁判後
裁判後は、約1か月後に期日が設定され、双方の主張・立証が行われます。
訴訟提起後すぐに合意解決することもありますし、判決まで進むこともあります。
判決まで進む場合には、おおむね半年程度はかかるかと思います。
判決後は直ちに支払われるケースが少なくありませんが、控訴して上級審で再審理をすることもあり、その場合にはさらに3~4か月かかります。
裁判を経た場合には、おおむね入金まで1年半程度が一応の目安といえるかと思います。
過払い金について交渉で解決するメリット・デメリットは何ですか? 過払い金返還請求をすることでクレジットカードが使えなくなることはありますか?